ニーズのないであろう振り返り記事③になります。
思いの外長くなりましたが、今回が最終回。レース編です。
10:20になり、レースウェアに着替え、シューズ履き替えました。決戦のシューズはアルファフライ(2ではなく)。さすがにまだランパンランシャツだけでは寒いので、その上から吉田町チームのベンチコートを羽織りました。
最終コールが10:38から行われ、いよいよ出番が近付いてきました。
この時レースは第5区に移っていました。戦況としては、第5区の高校生・シュウトが全体の7位(町の部では2位)で襷を受け取って走り出したところ。
ちなみにシュウトは5000mで県高校ランク2位、1500mに至っては県高校ランク1位という逸材。既に某有名大学への進学も決まっており、彼が箱根を走る日が来ることを密かに楽しみにしています(ちなみにこの日のテレビ放送の解説を務めた金さん(金哲彦氏)も同じようなコメントを残していました)。
この絶対的エースが巻き返してくれる。ぼくだけでなく、吉田町チーム全員がそう信じていました。
さて、ぼくはというと、道を挟んだ中継地点へ移動し、もう緊張Max。落ち着かなくて無駄に流しをしてみたり。

そしてうちの大エース・シュウトがあれよあれよという間に順位を7位→3位(町の部1位)に押し上げている。さらにトップにまで迫ろうという勢い。これは相当凄いことになっている。
そしていよいよスマホの画面越しではなく肉眼で5区の選手が見えてきました。走ってくるシュウトに手を挙げて合図。声も張り上げました。
よし、あとは自分に求められた仕事をするだけ。全体3位でシュウトから襷をうけ、いざスタート!
スタートしてすぐ、視界の右になんとなく見た事のある影が。「タクミさん頑張って!」と声も聴こえてきました。直接そちらを見ている余裕はありませんでしたが、あれは同じ職場のアマノさんでは?
後日確認すると、わざわざ応援に駆け付けてくれた事が判明。本当にありがたい。

シュウトの勢いそのままに飛び出したため入りの1kmは3’04″/kmとちょっと突っ込み気味。でもまだ冷静さは保てており、動きにも余裕がありました。
次の1kmは3’16″/kmと大きく落としましたが、ここは1箇所上りがあったため気にしない。まだ半分。慌てなくていい、と自分に言い聞かせます。
しかしここからがキツかった。動きが悪くなってきたのを自覚し、呼吸も苦しくなってきた。でも粘らなきゃ。自分に求められた仕事をこなさなきゃ。
ラスト1km付近で後ろから来た御殿場市のヒラタ選手に抜かれてしまいました。ちなみにヒラタさんは区間賞(昨年も)の走りをされています。
しかしこのまま引き下がる訳にはいかない。なんとかその背中を追いかけます。この辺りでソミヤさんやサイトウ組のメンバーが沿道から大声を張り上げて応援してくれました。苦しい場面での声援は本当に力になります。
最後の右折ポイントを曲がるといよいよ第7区への中継所が見えてきます。苦しい苦しいところでしたが、ラストまで絞り出します。

結果としては12’27″(Ave. 3’11″/km)。目標の12’23″には僅かに届きませんでしたが、最低限の仕事は出来たのかな、と。
どうやら限界まで追い込んでいたのか、走り終わると珍しく長い時間しばらく呼吸が整いませんでした。思えば2週間前の長距離記録会では3000mを9’33″(Ave. 3’11″/km)で限界だったのに、この日は同じペースで約1km長い3.911kmを走った訳なので、そりゃ限界だったかな、と。
7区付き添いのヨコヤマさんからスポーツドリンクを貰い、ゆっくり待機場所である清水第六中学へ移動。少し落ち着いた後、グラウンドでダウンジョグ。しかしここを12時にバスが出発して草薙陸上競技場へ戻るため、ゆっくりはしていられません。
着替えを済ませてバスで草薙へ戻ります。この間、付き添いのヨコヤマさんはすべての荷物を持とうとしてくれる。さすがにひとりじゃ持てないレベルの荷物w
結果的にはふたりで分担して運んだ訳ですが、最初ぼくが申し出ても「いやいや、選手に持たせる訳にはいきません」と言う。オオハシさんといいヨコヤマさんといい、吉田町チームのスタッフは本当に選手ファーストで対応してくれる。申し訳ないくらい。でもそれくらい期待もされている訳で、本当にありがたいことです。
ちなみに、我々6区を走った選手たちは、最終12区の選手が草薙陸上競技場にゴールする時間には間に合わず、バスの中のテレビ中継とスマホのLIVE配信で結果を知ることになりました。
我が吉田町チームは清水町に逆転を許し、残念ながら町の部第2位という結果に終わりました。本当に悔しい。来年こそは王座奪還を狙います。
最後にこぼれ話を。
第5区スーパーエース・シュウトから良いポジションで襷を受け取った不器用なタクミ。テレビ放送でばっちり紹介されていました。我々選手は全員事前アンケート(ウェブ回答)を受けているのですが、そこでのコメントがキャッチーで使いやすかったのか、テレビだけでなく翌朝の静岡新聞にまで取り上げられましたw(確かに、草薙に戻ってから個別の取材も受けました。まさか採用されるとは)
だって、こんないい歳したおっさん達が毎日毎日努力して息を切らして汗を流して必死になって走ってるんですよ。それって【大人の青春】でしょ?
走り自体はたいした事ない平凡なタイムでしたが(全37チーム中、区間19位(町の部では4位))、妙なところで注目されました。
来年は走りで注目される選手になろう。

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