本日はポイント練習の日。
いつものように朝起きてみると左腕が痛い。やはり昨日接種したワクチンの影響が残っている。というか、昨日より今朝の方が全然痛い。
なるほど、これか…。
既に接種を終えている方々から情報は得ていたが、共通していたのは筋肉痛のような腕の痛み。個人差もあるとは思うが、ぼくの場合は腕を上に挙げようとすると痛みが発生し、その方向には動かしにくい。
しかしそれ以外に発熱や頭痛などの症状はないため、予定通りポイント練習を敢行することにする。
いつものようにリバティにある競技場へ。ジョグをして、柔軟をする。
確かに腕は動かしにくいが、腕降りにそこまで影響はなさそう。ただしいつも実施している肩甲骨のストレッチは腕をそちら側に回せないため回避する。そこまでルーティンを大事にしている訳じゃないが、いつもやっているストレッチが出来ないのはなんだか気持ち悪い。
しかし今日はこれを使おうと考えていたため、そちらに意識を向けることで気持ちを取り戻す。
前回使おうとして使えなかったアシックスのメタスピードスカイ。しばらく部屋のインテリアになっていた期待のシューズ。ようやく日の目を見るときがやってきた。
流しの前にメタスピードスカイに履き替える。足を入れて立ち上がった瞬間、「おぉーっ」と感動する。
軽い!
いや、それは分かっていた。分かってはいたが、実際に足を入れて数歩歩いてみると改めてその軽さを実感する。
そして、身体が前に進む!
まだ走っていないにも関わらず、歩いただけで自然と身体が前進していくのが分かった。前足部の厚みと反発を強く感じる。
ナイキのヴェイパーフライネクスト%に初めて足を入れたときも、これまで経験したことのない感覚に驚いた。あの時は沈み込むようなクッションが印象的だった。
一方メタスピードスカイは、柔らかさはあるもののヴェイパーフライネクスト%よりは硬めな印象。沈み込むような柔らかさ、という感じではない。しかし、だからこそなのか、反発と前に進む感覚をより実感できた。
これは、もしかするともしかするかも…!
流しを2本入れて、期待が確信に変わった。
めちゃくちゃ進む!
前足部に乗ったときの反発が凄い。語彙力のないぼくには的確に形容する言葉が見つからないが、とにかく跳ねるし身体を前に押し出してくれる。ヴェイパーフライネクスト%と比較しても甲乙つけがたい、どちらが良い・悪いとは一概に言えないだろうと思った。少なくとも決して引けをとらないシューズだ。
しかし、流しを終えた段階で一抹の不安があった。
意図していないにも関わらず走り方も変わっているような…。
なんとも表現しにくいのだが、なんとなくいつもより脚を使っちゃっているような気がしなくもない。スピードには乗れているような感覚があるのだが、その分ダメージもでかいような…。
考えていても掴めない。ここはやってみましょう!
という事で、まずは1000mチャレンジ!
出るか3’00″切り!
少なくとも昨年出した自己ベストの3’05″は更新したい!
さぁ、行っちゃいましょう!
結果。
3’09″。
ちーん。
えっ、嘘でしょ?
走り出しの感覚は悪くなかった。というか、めちゃくちゃ良かった。だって凄い弾むし進むもの。スピードに乗れている感覚もあった。
しかし後半、腿の前側の筋肉(なんていう筋肉だろ?大腿筋?)に疲労が出てきた。確かにちょっと腿が重たくなった感覚はあった。
にしても、3’09″…。ホントに?
これにはさすがにがっかりした。もうちょい行けると思っていた。
そのまま200mジョグで繋ぎ、残り1000m×4本のインターバルを実施することに。これは最初から決めていたメニューだ。しかし残り4本があるからと言って、1本目を抑えたつもりはない。あれはあれで今の実力だと認めざるを得ない。
2本目:3’24″。
そりゃ落ちるよね。1本目の疲れ残ってたもの。
3本目:3’22″。
ビミョーに盛り返す。
4本目:3’22″。
なんとか気持ちだけは繋ぐ。しかしキツイ。
ラスト5本目を前に、200mをジョグで繋ぎながら異変に気付く。というか、正確には4本目の最中から感じていた。
やっぱ前腿疲れてる…!
なんなら軽く張り始めている。しばらく感じていなかった感覚だが、過去に同じような経験があったことを思い出した。
3年前、2018年。
この年は苦しかった。というのも、努力は続けているものの、全く記録を更新出来なかったからだ。とりわけ前年までと比較して明らかに駄目だったのがフルマラソンだった。短い距離はまだ悪くなかった。しかしフルになると後半必ず前側の腿がガチガチに張ってしまい、動かすことすらままならなかった。
その後、原因を自分なりに解析し、フォームの改善に着手した。
というのも、この頃のぼくのフォームは完全に「前傾姿勢」を履き違えており、腰を弓なりに反り、お尻を後ろに突き出した状態で走っていたのだ。そのため腰が落ち、重心よりも完全に前で接地していた。
この走りを続けることで、前腿にダメージを蓄積していたというのが当時のぼくの見解だった。言い換えればオーバーストライドで、前腿でブレーキを掛けて走っているような状態だった。
今回のメタスピードスカイは、「ストライド走法」に適したシューズ、というのが謳い文句だ。しかしぼくの現時点での見解は、「もともとストライド走法の人が履くのに適しているシューズ」ではなく、「従来よりもストライドが伸びるシューズ」と言った方が適切な気がした。
確かに弾むし進む。ストライドが伸びていてもおかしくない。
しかしぼくのように、もともと「ストライド走法」寄りのランナーが履いた場合、下手をするとオーバーストライドになって前腿にダメージが出てくる恐れがあるのではないか、と思った。
そんな事を考えてジョグしているうちにラスト5本目が迫ってきた。呼吸はまだ落ち着かないが、せめて一旦気持ちを落ち着かせる。シューズのポテンシャルに騙されず、いつものフォームを思い出せ。
5本目:3’17″。
決して良くはないが、全然悪くない。むしろ頑張れた方だ。
不思議なもので、4本目までの疲労はあるものの、いつものフォームを心掛けるだけで少なくとも今日一番上手くシューズを乗りこなせた気がする。4本目までは完全にシューズに踊らされていた。
メタスピードスカイは間違いなく良いシューズだと思う。でも不器用なタクミが上手に乗りこなすためにはもう少し時間が掛かりそうだ。
ふと思ったのは、普段ピッチ走法の人がメタスピードスカイを履いたらどうなるかな?というものだ。ピッチ型にはメタスピードエッジが推奨されている。でもスカイを履いたらピッチ型のランナーも普段よりストライドが伸びるのでは?
えっ、そしたらそれって最強じゃん?
…これは提案しないようにしようw
ライバル増やすだけだしw
とりあえずワクチンの影響はなさそうで良かった…。
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